「冬の京都では、どんな和菓子が食べられる?」
「せっかくなら、その時期にしか味わえない京都らしい和菓子を食べてみたい」
冬の京都には花びら餅や椿餅、雪景色を映した雪餅など、この季節ならではの和菓子が登場します。
この記事では、12月〜2月頃に楽しめる京都の和菓子とぜひ味わってほしいおすすめのお店を京都人の目線で紹介します。
この記事を読めば、冬の京都で食べてみたい和菓子や立ち寄りたいお店がきっと見つかるはず。
旅の予定に合わせて、この季節ならではの味を楽しんでみてください。
※ 和菓子の販売時期や取り扱いは、その年や店舗によって異なります。
季節の和菓子だけでなく、京都ならではの和菓子の楽しみ方やおすすめのお店はこちらで紹介しています。

冬ならではの京都の和菓子

冬の京都では、寒い季節だからこそ味わいたい和菓子が店先に並びます。
味わいはもちろん、見た目からも京都の冬を感じられる和菓子を紹介します。
さっそく詳しく紹介していきます。
冬にこそ味わいたい|上用饅頭

上用饅頭は、すりおろした山芋に米粉や砂糖を合わせた生地で餡を包み、蒸し上げたお饅頭です。
Konokaきめ細かくしっとりとした皮は、ふんわりしながらもほどよくもっちり。
京都では「薯蕷饅頭」を「上用饅頭」と表記するお店もあります。
この呼び名の由来には諸説あります。
かつて砂糖や小豆を使った饅頭が貴重で身分の高い人に用いる上等なお菓子だったことから「上用」と呼ばれるようになったとも。
上用饅頭は一年を通して作られますが、生地に使われるつくね芋は冬が旬。寒い季節には、素材の風味にも注目して味わいたい和菓子です。
鍵善良房|かぶら
京都の冬を代表する聖護院かぶをかたどった、鍵善良房の「かぶら」。
千枚漬けの仕込みが始まる師走の京都らしい、季節感あふれる上用饅頭です。
甘春堂|常盤饅頭
白い上用饅頭に緑色の白小豆餡を包み、雪をかぶった松を表した「常盤饅頭」。
表千家家元の初釜で使われることでも知られています。
家元の初釜で用いられるのは虎屋製ですが、一般には販売されていません。
甘春堂では新春の時期に注文できるため、常盤饅頭を味わってみたい方におすすめです。
『源氏物語』にも登場|椿餅


椿餅は道明寺などで餡を包み、2枚の艶やかな椿の葉で挟んだ早春の餅菓子です。



『源氏物語』にも「つばいもちひ」として登場し、日本最古の餅菓子ともいわれています。
現在の椿餅は、1月下旬から2月頃になると京都の和菓子店で見かけるようになります。
椿の葉は食べずに外していただきます。
濃い緑の葉とやわらかな餅の取り合わせが美しく、冬から早春の季節を目でも楽しめる風流な和菓子です。
店ごとにさまざまな味わいがあるため、この時期ならではの食べ比べをしてみるのも良いでしょう。
塩芳軒|つばいもちひ
道明寺に和三盆の糖蜜を合わせ、かつて使われていた甘葛を思わせるように工夫されたほんのり茶色がかった姿が特徴です。
こし餡とともにコクのあるやさしい甘さを楽しめます。
亀屋良長|椿もち
亀屋良長の「椿もち」は、道明寺の中に金柑入りの白餡を包んだひと味違う仕立て。
やわらかな餅と白餡に、金柑の甘酸っぱさがアクセントになっています。
京都の冬景色|雪餅


雪餅は降り積もる雪や冬の雪景色を表した、この季節ならではの和菓子です。
同じ「雪餅」という名前でも決まった形があるわけではなく、真っ白なきんとんに仕立てたものや、氷餅をまとわせたものなど、お店によって姿も作り方も異なります。



なかでも、つくね芋を使ったきんとん製の雪餅は、芋がおいしくなる寒い時期ならではの味わい。
京都の底冷えが深まる頃に登場する、冬を代表する上生菓子のひとつです。
嘯月|雪餅
嘯月の「雪餅」は、つくね芋を使った真っ白で繊細なそぼろが、ふんわりと積もった雪のよう。
白小豆を加えることでしっとりと仕上げられたそぼろは、芋の香りとみずみずしい口どけを楽しめます。
末富|雪餅
末富の「雪餅」は、よく見られるきんとん製とは異なり、白い道明寺でこし餡を包み、砕いた氷餅をまとわせたもの。
半透明の氷餅がきらきらと光を反射し、陽を受けて輝く雪の美しさを表しています。
京都の年末年始は花びら餅を食べ比べ


京都のお正月を代表する和菓子のひとつが「花びら餅」です。
白い餅や求肥に白味噌餡、甘く炊いた牛蒡、紅色の餅や羊羹などを挟んだもので、そのルーツは宮中の正月行事「歯固めの儀」にあるとされています。



茶道では、裏千家の初釜に用いられる新年の菓子としても知られています。
同じ花びら餅でも、餅のやわらかさや白味噌餡の味、ごぼうの存在感などはお店によってさまざま。
年末年始の京都で、気になる花びら餅を食べ比べてみるのもおすすめです。(販売期間は12月下旬〜1月中旬ごろ)
今回は、特におすすめの5つを紹介します。
- 川端道喜|花びら餅の歴史を感じる特別な一品
- 仙太郎|白味噌の風味を楽しむ花びら餅
- 鶴屋吉信|京のお正月らしい「御所鏡」
- 二條若狭屋|山椒が香るひと味違う花びら餅
- 鳴海餅本店|お餅屋さんならではの花びら餅
「花びらもち」は他のお店でも取り扱っているので、ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。
川端道喜|花びら餅の歴史を感じる特別な一品


裏千家の初釜に用いられる川端道喜の「御菱葩」。
一般には年末に「試餅(こころみのもち)」として予約販売されますが、毎年電話がなかなかつながらないほど入手困難です。



2時間電話かけ続けて、ようやくつながりました。
大ぶりの餅には淡い紅色が透け、見た目も上品。
中の白味噌餡はとろりとやわらかく、まるで京都の白味噌雑煮をそのままお菓子にしたような味わいです。
仙太郎|白味噌の風味を楽しむ花びら餅


仙太郎の花びら餅は、京都・山利の糀みそと白小豆を合わせた白味噌餡に、甘く炊いた牛蒡と人参の羊羹を合わせたもの。
白味噌の風味がしっかりと感じられ、甘さと塩気のどちらも存在感があります。



かわいい梅の花のお干菓子もついてきます。
ふっくら大きめで食べ応えがあるのも特徴です。
鶴屋吉信|京のお正月らしい「御所鏡」


鶴屋吉信では、花びら餅を「御所鏡」の銘で作っています。



やわらかな求肥に、やさしい甘さの白味噌餡、紅羊羹、蜜漬けの牛蒡を包んだ王道の仕立てです。
真っ白な求肥から菱形の紅羊羹がほんのり透ける姿も、新年らしい華やかさ。
店頭だけでなく年末にはオンラインでお取り寄せできるため、京都以外からでも比較的手に取りやすい花びら餅です。
二條若狭屋|山椒が香るひと味違う花びら餅


二條若狭屋の花びら餅は、やわらかくしっとりとした餅に白味噌餡と牛蒡を合わせ、さらに山椒をきかせた珍しい仕立てです。



こっくりと甘い白味噌餡のあとに、山椒の爽やかな香りがふわり。
大人向きで、京都らしい味わいが特徴です。
同じ花びら餅をいくつか食べ比べるなら、ぜひこの個性的な一品を試してみてください。
鳴海餅本店|お餅屋さんならではの花びら餅
鳴海餅本店の花びら餅は、丹念に仕上げた求肥餅に白味噌餡と牛蒡の蜜煮を挟んだ、シンプルな仕立てです。
牛蒡は土の香りをほどよく残しながら、上品な風味に炊き上げられています。



お餅屋さんらしい、やわらかさの中にもほどよい弾力を感じる生地も魅力。
華美ではない素朴な味わいで、京都の人に長く親しまれてきたお店らしさを感じる花びら餅です。
冬から早春へ移ろう京都の上生菓子


冬の上生菓子には、雪や霜、椿、水仙、梅など、寒い季節ならではの題材が使われます。
- 12月:雪・霜・山茶花・椿
- 1月:松・梅・水仙・福寿草
- 2月:梅・椿・鶯・早蕨
真冬には白い雪や厳しい寒さを思わせる意匠が多く見られますが、2月が近づくと梅や鶯など、少しずつ春の気配を感じるものへと変わっていきます。
同じ冬でも、和菓子を眺めていると季節が少しずつ春へ向かっていることに気づかされます。



そして冬の上生菓子を楽しむなら、見た目だけでなく「菓銘」にも注目してみてください。
雪そのものを表すのではなく、雪解けや春を待つ気持ちまで、色や形、菓銘にそっと忍ばせることがあります。
「このお菓子には、どんな冬の景色が表されているのだろう。」
そんなふうに想像しながら味わえば、寒い京都の中に少しずつ近づく春まで感じられるでしょう。
冬の京都では、その時期にしか出会えない和菓子を楽しもう


京都の冬には、寒い季節ならではの素材や新年の行事、雪景色や早春の気配を映した和菓子が数多く登場します。
- 冬は、上用饅頭を味わいたい季節
- 1月下旬から2月頃には、椿の葉に挟まれた椿餅が登場する
- 寒さが深まる頃には、雪景色を表した雪餅が楽しめる
- 年末年始には、店ごとに味わいの異なる花びら餅が並ぶ
- 上生菓子からは、雪や椿から梅や鶯へと移ろう季節を感じられる
京都を訪れたら、その時期にしか並ばない和菓子にぜひ目を向けてみてください。
花びら餅を食べ比べたり、気になる雪餅の販売時期に合わせたりと、食べてみたい和菓子から京都を訪れる時期を決めるのもひとつの楽しみ方です。
季節の和菓子を目当てに京都を訪れるなら、ホテル選びも大切。観光しやすいエリアや、旅の目的に合わせたおすすめホテルはこちらで紹介しています。


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