「京都人は、普段からおばんざいや湯豆腐を食べているの?」
「京都ならではの食べ物に関するあるある聞きたい!」
京都といえば、上品な京料理や抹茶、八ツ橋などを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、実際の京都人の食卓には「肉といえば牛肉」「朝食はパン」「おうどんには山椒」など、外からのイメージとは少し違う日常があります。
この記事では、京都生まれ・京都育ちの筆者が普段の食卓やおうどん、お菓子、季節の食べ物にまつわる「京都人あるある」を紹介します。
京都人ならではの感覚を知れば、町のうどん屋やスーパー・和菓子店の見え方が変わり、京都の旅をもっと深く楽しめるようになるでしょう。
京都ならではの食文化を知ると、実際にその味を試してみたくなるもの。
京都まで行かなくても楽しめるものもあるので、気になる方はお取り寄せもチェックしてみてください。

京都人の普段の食卓あるある

京都人の普段の食卓には、一般的な京都のイメージとは少し違う習慣があります。
ここでは、料理の呼び方や肉・朝食の好みなど、日常の食にまつわるあるあるを紹介します。
それでは、さっそくみていきましょう。
家のおかずを「おばんざい」とは呼ばない
「おばんざい」とは、京都の一般家庭で日常的に作られるお惣菜のことです。
ただし、京都の家庭で普段の料理を「おばんざい」と呼ぶことはほとんどなく、単に「おかず」と言います。
Konoka昔は「おまわり」や「おぞよ」と呼ぶこともあったそうですが、現在ではあまり耳にしなくなりました。
一方、おばんざいのメニューでよく見かける「〇〇の炊いたん」という言い方には、京都人もなじみがあります。
「炊いたん」とは、「炊いたもの」という意味。言葉の仕組みとしては、煮たものなら「煮たん」、焼いたものなら「焼いたん」です。



つまり、「炊いたん」はもともと特定の料理名ではなく、日常の話し言葉です。
最近ではレシピや飲食店のメニューに料理名のように書かれていますが、京都人からすると「炊いたんって、料理名?」と、少し不思議に感じます。
肉といえば「牛肉」
京都で「肉」といえば、「牛肉」を指します。



わが家でも、豚肉なら「豚」、鶏肉なら「鶏」と呼び分けますが、牛肉だけは「お肉」。
肉じゃがやすき焼き、肉うどんに使うのも、当たり前のように牛肉です。
京都にはすき焼きの老舗「三嶋亭」や、精肉店として始まった「モリタ屋」など、明治時代から続く牛肉の店があります。


そのため、大人になってから地域によっては肉じゃがやカレーに豚肉を使うと知り、驚いた記憶があります。
京都人は案外「こってり」好き
友人から「今度京都へ行くけど、おいしい湯豆腐のお店知らない?」と聞かれることがあります。



京都といえば、精進料理や湯豆腐、漬物など、あっさりした料理を食べているイメージが強いのでしょう。
精進料理や湯豆腐の印象が強い京都ですが、実際の食文化は「あっさり一辺倒」ではありません。
たとえば、濃厚なスープで知られる天下一品は京都発祥。
甘辛いすき焼きをはじめとする牛肉料理も、京都の食文化に根付いています。


京都人の好みは、外から思われているより案外こってりしています。
朝食にはご飯よりパンを選びがち
京都といえば和食のイメージがありますが、朝食にはご飯よりパンを選ぶ人も少なくありません。



京都で育った私にとっても、朝からトーストとコーヒーという組み合わせは、ごく普通のものでした。
喫茶店の厚切りトーストや志津屋のカルネなど、京都人に長く親しまれているパンもあります。


町には昔ながらのパン屋や喫茶店もあり、パンは京都人の暮らしに意外と深く根付いています。
実際、京都市はパンの年間支出額で全国1位になったことがあり、現在も全国上位。
和食の街というイメージとは裏腹に、京都は全国でも有数のパン好きな街といえるでしょう。
京都のうどんあるある


京都名物の麺料理といえば「にしんそば」が知られていますが、京都人にとって日常的に身近なのはどちらかというと「うどん」です。
京都では、うどんを親しみを込めて「おうどん」と呼ぶことも多く、町には昔ながらの麺処も多く残っています。
ここでは、京都のおうどんならではの味やメニューなどのあるあるを紹介します。
一つずつ詳しくみていきましょう。
うどん出汁は甘め、麺は柔らかめ
京都のおうどんは、透き通った淡い色の出汁が特徴です。
見た目だけでは味も薄そうに思われますが、京都は出汁文化。実際には出汁のうま味がしっかりと感じられ、ほんのり甘めなのが特徴です。



麺は強いコシを楽しむ讃岐うどんとは異なり、柔らかめ。
柔らかな麺に出汁がしっかり染み込んだ、いわゆる「お出汁のしゅんだ」味わいは京都のおうどんならではです。
そのため、他の地域でコシの強いうどんを食べると、想像以上の弾力に驚くこともあります。
独特のメニューがある
京都のうどん屋には、「けいらん」「のっぺい」「しっぽく」など、他の地域ではあまり見かけない名前が並びます。





京都のおうどんには、あんかけのメニューが多いのも特徴。
寒い日に生姜を添えた熱々のあんかけうどんを食べるのも、京都ではおなじみです。
| メニュー | 京都での内容 |
|---|---|
| きつね | 刻んだ油揚げと九条ねぎをのせたおうどん |
| たぬき | きつねうどんにとろみを付けたもの |
| けいらん | 溶き卵を流し入れたあんかけのおうどん |
| しっぽく (おかめ) | しいたけやかまぼこ、湯葉、お麩などをのせたもの |
| のっぺい | しっぽくをあんかけにしたもの |
他の地域で「たぬき」を注文し、天かすをのせたうどんが出てきて戸惑うのも京都人あるあるです。
薬味には山椒が置いてある
京都のうどん屋では、七味と並んで粉山椒が置かれているのが定番です。


おうどんだけでなく、親子丼や衣笠丼などの丼ものにかけることもあります。
ほんのり甘い出汁に山椒の爽やかな香りとピリッとした辛みが加わると、味がきゅっと引き締まります。



他の地域のうどん屋で卓上に山椒がないと、少し物足りなく感じることも。
おうどんに山椒を振りかけるのは、京都人にはなじみのある食べ方です。
京都のお菓子あるある


八ツ橋や抹茶味のお菓子など、京都には定番のお土産が数多くあります。
しかし、観光客が抱く京都のお菓子のイメージと、京都人の感覚には少し違いがあるようです。
詳しくチェックしていきましょう。
京都人のおすすめするスイーツは、こちらの記事でまとめています。ぜひご覧ください!


京都人は八ツ橋をあまり食べない
八ツ橋は京都土産の定番ですが、京都人が普段のおやつとして食べる機会はそれほど多くありません。
自分用にわざわざ買うことは少なく、京都に住んでいると京都土産としてもらう機会もほとんどないためです。
また、観光客が「八ツ橋」と呼んでいるものは、だいたい三角形の「あん入り生八ツ橋」です。





もちもちとした生八ツ橋とは、まったくの別物です。
そのため、「八ツ橋が好き」と聞くと、硬い方なのか生八ツ橋なのかつい確認したくなります。
京都土産が抹茶味なのを不思議に思っている
京都人からすると、京都土産が何でも抹茶味になっているのは少し違和感を感じます。
京都駅や観光地のお土産店には、クッキーやチョコレート、バウムクーヘンなど、さまざまな抹茶味のお菓子が並んでいます。



宇治茶や茶道で知られる京都では、抹茶味が「京都らしさ」を分かりやすく表すものとして、お土産に使われているのでしょう。
ただ、京都人が普段から抹茶を飲んでいるわけでも、みんなが茶道を習っているわけでもありません。
そのため、お土産が何でも抹茶味になっているのを見ると、「京都って、そんなに抹茶のイメージ?」と少し不思議に感じてしまいます。
和菓子屋は創業100年くらいでは驚かない
京都には、何代にもわたって続く和菓子店が数多くあります。
代表的な京都の老舗和菓子屋さんの創業年をみてみましょう。
- 笹屋伊織:1716年創業
- 俵屋吉富:1755年創業
- 鶴屋吉信:1803年創業
- 亀屋良長:1803年創業
- 末富:1893年創業
- 老松:1908年創業
この中では、1908年創業の老松が最も新しいお店です。それでも、すでに100年以上の歴史があります。



しかし、京都人は「100年なら、まだ新しい方やな」と感じてしまうことも。
歴史の長い店が身近にある京都では、老舗に対する年代感覚がいつの間にか少しおかしくなっているのかもしれません。
季節を感じる京都の食べ物あるある


京都には、季節や年中行事と結びついた食べ物が数多くあります。
決まった時期に店頭へ並ぶものを見て、季節の移り変わりを感じることも少なくありません。
ひとつずつみていきましょう。
年越しそばといえば「ニシンそば」
京都の年越しそばといえば、甘辛く炊いた身欠きにしんをのせた「にしんそば」を思い浮かべます。



もちろん家庭によって違いはありますが、わが家でも年越しそばはにしんそばでした。
柔らかく炊かれたにしんと、少し甘めのお出汁の組み合わせは、昔から食べ慣れた味です。


にしんそばは京都名物として知られていますが、京都人にとっては観光で食べるものというより、年末になると食卓に登場する季節の食べ物。
にしんそばを食べると、「今年ももう終わりやな」と感じます。
お正月のお雑煮は「白味噌仕立て」
京都のお雑煮は、白味噌仕立てが一般的です。
昆布出汁に白味噌をたっぷり溶かし、丸餅や里芋、大根などを入れます。白味噌ならではの濃厚な甘みがあり、普段のお味噌汁とはまったく違う味わいです。



他の地域のお雑煮が、すまし汁仕立てだったり、焼いた餅を入れたりすると知ったときは驚きました。
ただし、白味噌が普段の食卓で出てくることはあまりありません。京都人にとって白味噌のお雑煮は、お正月にしか食べない特別な味。


元日の朝にこれを食べると、ようやく新しい年が始まったような気がします。
京都でお正月を過ごすなら、こちらの記事も参考にしてみてください。


6月には「水無月」を食べたくなる
6月になると、和菓子屋やスーパー、デパ地下に三角形の「水無月」が並び始めます。



水無月は、ういろうの上に小豆をのせた京都の和菓子です。
京都では、1年の折り返しにあたる6月30日の「夏越の祓」に、残り半年の無病息災を願って食べる習慣があります。


とはいえ、毎年きちんと6月30日に食べるというより、店頭に並んでいるのを見て「そろそろ水無月の季節やな」と思い、つい買いたくなる感覚です。
水無月を食べると、梅雨の最中でも少しずつ夏が近づいてきたことを感じます。
スーパーに鱧が並ぶと夏を感じる
夏が近づくと、京都のスーパーや鮮魚店には骨切りされた鱧が並び始めます。


祇園祭は「鱧祭」と呼ばれることもあるほど、鱧は京都の夏と深く結びついているのです。
鱧料理は料亭で食べる高級な京料理というイメージもありますが、京都ではスーパーでも比較的よく見かけます。



湯引きにして梅肉を添えたり、天ぷらや照り焼きにしたり。
普段は鯖寿司を扱う店でも、この時期になると鱧寿司が登場することがあります。
毎年みんなが必ず鱧を食べるわけではありませんが、スーパーに鱧や鱧寿司が並び始めると、京都人は「今年も夏が来たな」と感じます。
京都の祇園祭については、こちらの記事をご覧ください。


京都人あるあるを知れば、京都はもっとおもしろい


旅行の楽しみの一つといえば、その土地ならではの食です。
名物料理を味わうだけでなく、地元の人が普段どのようなものを食べどのように感じているのかを知ると、旅先の文化がぐっと身近になります。
京都を訪れた際は観光名所だけでなく、町のうどん屋やパン屋、スーパー、和菓子店などにも注目してみてください。
京都人あるあるを思い出しながら歩けばいつもの京都観光が少し違って見え、旅がもっとおもしろくなるでしょう。


京都の記事をもっと探したい方へ
京都観光・街歩き・おみやげ・食・文化など、KYOTONEの記事を目的別にまとめています。











コメント